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[整理No.014] 投稿 KI さん(匿名)
スループット会計と製品別原価
(注)下記文中「斜体」字はKIさんの質問、「太字」字は小林英三の回答

質問 KI

TOCでは、製品別原価については正確に算出することはできないとの、立場をとっていると思います。 しかしながら、現実の場面では、製品ごとに原価の見積もりを顧客に提出する必要があります。

この場合、TOCでは、どのように対応したらよいのでしょうか。

見積り額には、当然間接費も何らかの形で含めておかねばならないはずだと思うのですが、TOC的にはどう設定するのか、と言ううことになるかと思います。

お知恵をお借りいたしたく、よろしくお願いいたします。

以下に、小生の考え方を述べて見ます。

TOCでは、製品別原価については正確に算出することはできないとの、立場をとっていると思います。

厳密には、「TOCでは、製品別原価については正確に算出することはできない」ではなくて、「TOCでは、収益性の判定、したがって、最適製品ミックス導出を有効に行う意思決定に使える製品別原価は、伝統的な原価計算では、(正確にも、不正確にも)、決して算出することはできない」という立場です。なぜなら、ご承知のように、伝統的原価計算は「制約」を明示的に意識していないからです。


現実の場面では、製品ごとに原価の見積もりを顧客に提出する必要があります。この場合、TOCでは、どのように対応したらよいのでしょうか。
顧客が、何故、購入価格ではなく、原価を要求するのか、理由がわかりません。なぜなら、彼らの関心事は、購入価格、納入リードタイム、品質、納期の信頼性などのはずです。しかし、顧客が、どうしても、原価の提出を求めるなら、見かけ上、伝統的な原価計算方式に従った振りをした、「政策原価」を出せばよいでしょう。

TOCでは、ご承知の通り、あるトレードで、自分のところに、どれくらいスループットが発生するかどうかで、あるオファーを受けるか否かを決定します。まず、この原点を忘れないで下さい。

この原点を、十分に念頭に置き、顧客が、どうしても、原価の提出を求めるなら、かなり、政策的な観点から、いわゆる、コストワールド方式にしたがった「原価」ではなく(勿論、獲りたい商売を獲れる、と言う目的を達成できるなら、この原価でもかまいませんが)、発生するスループットを念頭に、「政策原価」をクックアップして提出すればよいと思います。

The Haystack Syndromeの「第16章(原書の93ページから99ページ)」をお読み下さい。

よく判っている筈のKさんから、このような質問が来るとは予想していませんでした。TOCの原点を思い出し、あまり、伝統的な規範に執りつかれないようにしたほうがよいと思います。

小林英三



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